【取材レポ】大阪・関西万博ハンガリーパビリオンレストラン「Miska Kitchen & Bar」の総料理長がハンガリー料理とは?歴史と特徴、定番メニューを解説
みなさん、こんにちは!Foooood編集部です!
ハンガリーパビリオン2階にあるレストラン「Miska Kitchen & Bar」の総料理長であるヴィダーク・ゾルターンさんに取材させていただきましたので、ご紹介いたします。
Contents
ハンガリー料理とは?オスマン帝国からオーストリアまでの歴史が育んだ“煮込み文化”
「ハンガリー料理ってどんなイメージですか?」
シェフにそう尋ねると、まず返ってきたのは、料理に刻まれた歴史の話でした。
「中世時代はオスマン・トルコの支配を受けていたので、パプリカやお肉料理などトルコの影響が色濃く残っています。その後、オーストリア=ハンガリー二重帝国の時代には、オーストリアからの影響も加わり、料理がさらに豊かになりました。」
ハンガリー料理の代名詞とも言えるパプリカは、1900年代からヨーロッパに普及し始め、ハンガリーの気候が栽培に適していたため広く使われるように。生食、パウダー、漬物など、用途も多岐にわたるそうです。
「パプリカと言ってもいろんな種類があります。日本ではスペイン産が多いですが、色味や香りが全然違います。だからパプリカパウダーだけはハンガリーから持ってきているんですよ。」
煮込み文化と、現代の“軽さ志向”
「基本は煮込み料理なんです。グリルや炒め物もありますが、ハンガリー料理といえば煮込み。例えばグヤーシュやパプリカチキンなどですね。」
ただし現代の若者は健康志向もあり、サラダやグリルなど軽めの料理を好む傾向があるという。
「煮込みは重いし時間がかかる。だから若い世代はあまり家で作らないですね。けれど、レストランではやはり“ザ・ハンガリー料理”をメニューに載せています。」
家庭料理をベースにしながらも、レストランでは一手間加えて提供している。例えばパプリカチキンも、煮込みだけでなくフライを合わせることで異なる食感を演出。
「鶏肉にパプリカソースをかけるのが定番ですが、ここではフライも合わせています。家庭ではフライは入れませんから、レストランならではですね。」
食材へのこだわりと、日本での“再現”
使用する食材について尋ねると、日本で手に入る食材を最大限に活かしつつ、可能な限り本場の味に近づけているそう。
「海外で仕事をしていると、ないものはない。あるものでどうやってハンガリーの味を出すか、それが勝負なんです。」
パプリカパウダーはハンガリーから輸入するものの、その他の野菜や肉は、日本で多種類を試し、用途に最も適したものを選んでいるそうです。
日本人が驚く“乳酸菌文化”
日本人のお客さんから特に面白がられるのは、ハンガリー料理に欠かせないサワークリームやカティーチーズなどの乳酸菌系食材。
「カティーチーズで作るお団子のデザートがあるんですが、皆さんスーパーで見たことはあっても、こういう使い方をするなんて知らなかったと驚かれます。」
世界三大貴腐ワイン“トカイ”と料理のペアリング
ハンガリーといえば、世界三大貴腐ワインの一つ「トカイ」も有名です。
「ハンガリーには九州くらいの国土に22のワイン産地があります。トカイは葡萄に菌がついて水分が飛び、糖度が凝縮されることで、とても甘いワインになるんです。」
フランスワインと比べると「全く別物」とのこと。トカイはフォアグラやデザートと好相性だという。
「とても濃厚なので、がぶがぶ飲むものではなく、少しずつ味わっていただきたいですね。」
また、ハンガリーでは赤ワインをソーダで割った「フルッチ」が夏の定番だそう。
「暑い日に重い赤ワインはきついので、ソーダ割りで軽くして楽しむんです。日本でも試してみてほしい飲み方ですね。」
ぜひ、「Miska Kitchen & Bar」で本物のハンガリー料理を楽しんで♪
最後に厨房でハンガリー料理を作っているところを見せてくださりました。
お話されていたパプリカとカッテージチーズを使用した「冷製パプリカのカッテージチーズ・クリーム詰め」は、彩りが美しく、大変美味しそうでした。
内装や各テーブルに設置されている水差し(なんと!底のQRコードを読み込むとメニュー表が出てきます!)も可愛くて、ほっこりと癒されました。
ぜひ、「Miska Kitchen & Bar」で本物のハンガリー料理を楽しんでみてはいかがでしょうか?
※本記事で紹介している情報は掲載時点のものです。

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