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【試食レポ】兵庫県立長田高等学校×ミツカン「ぽん鍋缶」プロジェクト成果発表会に参加させていただきました!

2024.01.25by Foooood編集部
更新日:2024.01.25

皆様、こんにちは!Foooood編集部です!

“ひょうご安全の日”である阪神・淡路大震災から29年を迎えた2024年1月17日に、兵庫県立長田高等学校×ミツカン「ぽん鍋缶」プロジェクト成果発表会が開催されました。そこで、長田高校2年「ながったらー」の皆様とミツカン、アイナス社で共同開発された「ぽん鍋缶」を実際に試食させていただきましたのでご紹介いたします。

ちなみに会場は兵庫県立長田高等学校でした。綺麗でオシャレな校舎です。

Contents

きっかけは「味ぽん®」 高校生が考えたアイデア「ぽん鍋缶」がカタチに!

~兵庫県立長田高等学校とミツカンの取り組み成果発表会開催~

兵庫県立長田高等学校(所在地:兵庫県神戸市、校長:山根尚、以下長田高校)と株式会社Mizkan(本社:愛知県半田市、代表取締役社長兼CEO:吉永智征、以下ミツカン)は、2024年1月17日(水)、長田高校にて、産学協同での取り組みの成果発表会を実施いたしました。
長田高校とミツカンは、2023年8月より約半年間、「ぽん鍋缶」のアイデアの具現化にともに取り組んでまいりました。「ぽん鍋缶」は、コンロや家電のない校内などの環境でも、温かい鍋をいつでもどこでも簡単に食べることができるもので、2022年9月~2023年3月に開催された、「マイナビキャリア甲子園2022年度大会」にて、長田学校の学生で構成されたチーム「ながったらー」が、味ぽんブランドをきっかけに考案したアイデアです。
成果発表会当日の2024年1月17日は、「ひょうご安全の日」とされている、阪神・淡路大震災から29年を迎えた日。学生から学校へ、火がない環境でもおいしく食べられる「ぽん鍋缶」の寄贈式も合わせて行われました。

引用元:公式リリース

本取り組みについて

<本取り組みに至った経緯>
2018年に10年先の未来への約束として「ミツカン未来ビジョン宣言」を策定し、「人と社会と地球の健康」「新しいおいしさで変えていく社会」の実現に向け、「おいしさと健康の一致」を目指し、生活者やステークホルダーのみなさまと新しい価値を共に創造していくことに取り組んでいるミツカン。ミツカンのロングセラー商品の1つである味ぽんは、今年、60周年の節目を迎えます。ミツカンは、調味料市場を支えてくださっている年代の生活者に限らず、若い世代の目線で、新しいコト・モノを共に創造し、幅広い世代の生活者と繋がっていきたいという想いがあり、「ながったらー」のみなさまの想いやミツカンの想いをカタチにして世の中に「ともに」届ける取り組みをしたいと考えていました。
長田高校は2022年4月、文部科学省より「スーパーサイエンスハイスクール」に指定され、理数系教育に軸足を置きながら、文理融合の「人文・数理探究類型」を中心に、全校生徒を対象とした「探究活動」に関する取り組みを進めています。それらの取り組みを通して、「現状を正しく把握し、自らを客観的に認識しながら主体的に課題を見つける力」、「変化に対応し、粘り強く課題解決を進める力」、「周囲に課題解決の情報を正しく伝え、理解と共感を得られた成果を社会に広げる力」の3つの力を身につける過程で、コミュニケーション能力やリーダーシップ、共感性、自尊感情なども育って欲しいと考えていました。
長田高校とミツカンの想いが一致し、「ながったらー」が考えた「ぽん鍋缶」のアイデアを具現化することになり、本取り組みが始まりました。

<地元企業との連携>
「ぽん鍋缶」のアイデアを具現化するために、地元企業、株式会社アイナス(本社:兵庫県洲本市、代表取締役社長:大内晋、以下アイナス)に試作や製造のご協力をいただきました。長田高校とともに、缶詰の製造が可能で試作等の制作過程にもご協力いただけそうな企業をいくつか選定し、アイナス社へは当社よりアプローチさせていただきました。当社と長田高校の産学連携への考えに共感いただき、地域社会への貢献につながるならという想いで、快く引き受けていただきました。

引用元:公式リリース

「ともに」取り組んだみなさんのコメント

<兵庫県立長田高等学校 2年 「ながったらー」のみなさまのコメント>
今回、製品開発に携わらせていただき、ビジネスコンテストと開発との違いを強く感じました。ビジネスコンテストではとにかく企業と消費者の求める最も理想の製品を考え、メリットとなることをどんどん入れ込んでいきました。しかし、いざ製品開発となると、実現可能性と消費者の実用性を考え、デメリットをなくすことを重視し、洗練していく作業になっていきました。
けれど、その作業の中で私たちが本当に大切にしたいものが見つかったように思います。
特に私たちが大切にしたのは、ルーティン化した若者の忙しい毎日に、暖かい特別感を届けることです。「ぽん鍋缶」を手にした友達や自分たちが喜んでいるところを思い描いて開発を進めました。
また「ぽん鍋缶」は、災害食にもなると考えています。阪神・淡路大震災の時は、長田高校も避難所として利用されました。その教訓から、この製品が災害時に、不安になる心を温める存在になって欲しいと思っています。
開発の中では、味ぽんをベースに味を微調整する作業を経験しました。何度も試食を重ねる作業はとても大変でした。それと同時に、開発の繊細さを知り、ミツカンの方々の日々の努力の凄さを感じました。
約1年、アイデアを出すところから製品開発まで携わり、こうして形になって届いたときは本当に感動しました。ミツカンの方と”ともに”形にすることができたことを大変嬉しく思います。
将来、私たちがどのような社会人になり、何に携わっていくのかわかりませんが、理想がカタチになるこの感動を忘れずにいたいと思います。

<取組時の様子>

<兵庫県立長田高等学校 担任 竹内 洸貴さんのコメント>
この度はこのような素晴らしい機会に携わることができ、一介の教員としても光栄な思いでいっぱいです。昨年・今年と、生徒らが味ぽんのパーパスである「半径1メートルのしあわせ」を考えていく中で、「忙しい日々の中でも自分たちの居場所であたたかく過ごしたい」との思いからアイデアが形になっていきました。彼らがもつ「学校」や「仲間」の存在の大きさを感じ、そのような場をつくる学校の役割を改めて考えさせられたりもしました。また、“あたたかく過ごしたい”との思いは、被災現場でも持ちうる思いであろうと結びつき、災害食としての側面も議論の中から生まれていきました。
今回の取り組みは、私たち大人が“若者のもつ想像を超える力”を再認識する機会であったとともに、生徒達には社会で活躍する“本気の大人の姿勢・力”も感じられる素晴らしい学びの機会となったのではないかと思います。
改めて、携わってくださった関係企業、ミツカンの方々に厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。

<株式会社アイナス 営業部食品加工課 藪内雅敏さんのコメント>
「ながったらー」の皆さんが考案した「ぽん鍋缶」の製造に参加できたことは、弊社にとって大変光栄です。
高校生の皆さんが日々の勉強や部活動の中で、社会人並の多忙さを経験しながらも、缶詰製造に取り組む姿勢は、一会社員として見習うべきところがあり、大変刺激になりました。この缶詰が生徒や保護者様へ配られるという事実は、私たちの社会貢献活動の一環としても、非常に意義深いものです。未来を担う若者たちへの敬意と希望を込めて、このプロジェクトに全力を尽くしました。これからも、若者の創造力を尊重し、支援していきます。

<株式会社Mizkan マーケティング本部マーケティング企画1部調味料2課 課長 小又美智 のコメント>
マイナビ甲子園の決勝戦を終えた後、ちょうど8ヶ月ほど前に、「ながったらー」の皆さんがミツカン本社のある愛知県半田市を訪問してくれました。みなさんの考えや想いには、私たちには考えつかない若者ならではの新しい視点があり、皆さんとともにアイデアをカタチにしてみたいという想いに駆られました。長田高校とミツカン双方にとって有意義な取り組みとなるよう議論を重ね、プロジェクト発足に至りました。製品開発のプロセスは、「ながったらー」のみなさんにとっても初めてのことばかりで難しい議論もあったと思いますが、皆で議論しながらよいものに仕上げてくれました。例えば、コンセプト設計プロセスでは、高校生の生活を振り返りながら潜在的なニーズを再度深掘り。処方設計プロセスでは、アイナスの開発ラボに訪問し、みなで手を動かしながら議論し、想定時間をオーバーしながらも、納得のいく品質に仕上げるなど、プロ顔負けの取り組みでした。パッケージ設計プロセスでは、実使用シーンを想定し、商品を楽しみながら食べるためのギミックの工夫や、試食時のリスクや廃棄時も想定しながらパッケージを作成。アイデアをカタチにすることの難しさを実感しながら、届ける相手のことを考え抜いて、楽しみながらやり切ってくれました。

<完成品の試食時の様子>

引用元:公式リリース

成果発表会、製品寄贈式の様子をご紹介

「ぽん鍋缶」の開発期間は約6ヶ月。
皆様、通常の勉学や業務がある中でのご対応なので、かなりハードなスケジュールだったことだと存じます。
製品開発→試作→製造1(缶)→製造2(セットアップ)という流れで製品開発されたそうです。

「ぽん鍋缶」は化粧箱の中に、丸缶、モーリアンヒートパック(水を加えると発熱する発熱材)、カラトリーがセットになっているので、火が無い環境下でも手軽に本格的な鍋を食べられます。
しかも、加熱所要時間は、たったの5~10分。震災備蓄としても活躍が期待できますね。

質問コーナーでは、「ながったらー」のチーム名の小話も。
X(旧:Twitter)の利用者「ツイッタラー」をもじって命名したそうです。

そして、「ながったらー」の皆様から学校へ、製品寄贈式が行われました。

【製品試食会】「ぽん鍋缶」を実際に試食させていただきました!

製品試食会では、「ぽん鍋缶」を実際に試食させていただきました!

ほっこりとかわいいパッケージデザインに心あたたまる


「味ぽん」のラベルデザインをインスパイアしたかわいいパッケージデザインに心あたたまります。
デザイン原案は「ながったらー」の学生さんで、最終的にプロのデザイナーさんがブラッシュアップされました。素晴らしいチームプレーですね。

そして、箱はスマホスタンドとしても使用可能!
「ぽん鍋缶」を味わいながら、クラスメイト同士で写真や動画を撮れます。クラスメイトが孤食にならないよう、ワイワイ一緒に楽しもうという粋な計らいを感じました。お箸とレンゲ付きなのでパッと手軽に食べられるのも嬉しいです。

具材がたっぷり!見た目にも楽しく、「味ぽん」ベースの爽やかな味わいがたまらない!

蓋を開けた瞬間、食欲をそそる良い香りがします。
食べ応えのある大きな具材がゴロゴロと入っているのが嬉しいです。蓋を開けた瞬間の見た目にも凄くこだわっていらっしゃるのが伝わってきます。

なんと、しいたけの飾り切りは1つ1つ手作業で行っていらっしゃるそう。仕事の丁寧さを感じます。

肉団子は程よい歯ごたえで、噛む度にギュッとお肉の旨みを感じます。

人参、大根、白菜のサイズ感も丁度良いですね。全ての具材に味がしっかりと染み込んでいるのに、煮崩れしていない点にも感動いたしました。私が、鍋を家で作ると大体煮崩れしてしまうので。技術力の高さに脱帽です!

スープは「味ぽん」ベースの爽やかな酸味の中に出汁のまろやかな旨み、奥深い味わいを感じます。「ぽん鍋缶」単体で食べても勿論OKですが、白ごはんが欲しくなる最高の味わいです!当日は「ながったらー」のクラスメイトも試食を行い、白米を入れて食べる学生もいたのだとか。絶対おいしいと思います。

「本気の高校生と本気の大人」により実現した奇跡の「ぽん鍋缶」

ごちそうさまでした。
大変おいしかったです。何よりも「ながったらー」の皆様の若さ溢れるエネルギッシュさと仲間思いの優しさに感動いたしましたし、その思いに全力で応える企業の皆様の誠実さ、技術力の高さに胸が熱くなりました。長田高校の竹内洸貴(たけうちこうき)先生も仰っていましたが、まさに「本気の高校生と本気の大人」が、かけ合わさったことで実現したのだと存じます。

現状、商品化の予定は無いとのことですが、手軽においしい鍋がいつでも楽しめるので、ぜひ、商品化していただきたいですし、商品化された際は非常食として家に常備すると存じます。

今回、素敵な成果発表会に参加させていただいて大変勉強になりました。
私自身、ものづくりを生業とする人間として、もっと世の為、人の為になるような成果物を提供していけるよう尽力して参りたいと身が引き締まりました。良い気付きを与えていただき、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。皆様、この度は誠にありがとうございました!

※本記事で紹介している情報は掲載時点のものです。

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この記事を書いた人

Foooood編集部

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